電磁波工学研究室

概要

スタッフ:教授 工藤 孝人、助教 楠 敦志
キーワード:電磁波伝搬・散乱、逆散乱問題、電波を用いた不可視情報の可視化

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研究内容

電磁波遮へいを主とする電磁環境シミュレーションに関する研究

5Gの本格導入が始まり,我々を取り巻く電磁環境は複雑化・多様化しています.本研究では,マクスウェルの方程式に関する数値解法の1つであるFDTD法(Finite-Difference Time-Domain Method)に基づき,電磁波遮へいを主とする電磁波の伝搬・散乱に関するコンピュータ・シミュレーションを行っています.具体的には,非金属・金属周期構造による電磁遮へい特性の解析とその医療電磁環境への応用などです.

電磁波シミュレータに関する研究

可視光線と呼ばれる周波数領域を除き,一般に電磁波は人間の目で感知できません.物体による散乱や導波路伝搬など,電磁波にまつわる諸現象を可視化することは,その概念を捉える上で極めて重要です.本研究では,CIP法(Constrained Interpolation Profile Method)や FDTD法などの電磁界解析手法と Javaプログラミングを組み合わせた高機能電磁波シミュレータの開発を行っています.

電磁波逆散乱問題に関する研究

電磁波の散乱現象を利用して物体の位置,形状,媒質定数などを推定する問題は,一般に電磁波逆散乱問題と呼ばれています.散乱特性は入射波の周波数と密接に関係しているので,単周波よりも多周波やパルス波の散乱データを用いる手法の方が物体の情報を効果的に抽出できると考えられます.本研究では,計算機シミュレーションを通じて,マイクロ波帯の電磁波を利用した逆散乱問題の高速・簡易解法の開発を目指しています.