![]() ![]() プラズマ材料表面処理技術はそれぞれの分野でおおよそ50~60年かけて独自に進化してきており,異なる歴史を有している.そのような状況の中,本学会において平成11年に「プラズマを媒体とする素材表面改質処理プロセス技術調査専門委員会」が設置され,多様なプラズマ表面技術の体系的な理解へ向けた試みがなされた.当該委員会の技術報告「プラズマを用いた素材の表面改質技術」では各技術がコーティング技術と表面改質技術に分類され,またプラズマは低温プラズマと熱プラズマに分類されて報告がなされている.その10年後にあたる平成21年には「メタルスパッタプラズマの高度化専門調査委員会」が設置され,ここではプラズマ表面技術の中でもスパッタに重点が置かれ,電子デバイス作製やハードコーティングといった当時の多様な最新応用事例がまとめられた.来る平成31年はこのさらに10年後にあたり,現在では10年前には存在すらしていなかったプラズマ表面技術の開発や新技術創成の取り組みがなされている.表面処理に用いられるプラズマ自体も低温プラズマと熱プラズマでは分類できないほど多様化しており,例えば大気圧プラズマや液中プラズマが当たり前のように用いられている.さらに最近では非中性プラズマを応用した新プロセスや,核融合炉壁の研究分野で発見された表面ナノ構造形成の研究も進んでおり,プラズマ表面技術を新たな概念をもって理解しなおすべき時期を迎えている. ![]() 上記のように,プラズマ表面技術の応用事例やプラズマの分類は多様化の一途をたどっている.従ってここではプロセスの種類を大きく「成膜」「拡散処理」「表面改質」「新概念」の分野に分け,まずはそれぞれの分野において技術進展が極めて顕著なトピックを網羅的に調査する.
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