電磁波工学Ⅱ

授　業　科　目　名	必修・選択	単位	学期	対象学年	担当教員名
電磁波工学Ⅱ	Ａ選択	2	後期	3	田中　充
授業科目の英文名：Electromagnetic Wave EngineeringⅡ
【授業のねらい】　この授業では，電磁波伝搬に関する基本的な物理現象である放射，回折，散乱や各種アンテナの理論・構造・特性，無線通信の基礎となる電磁波の空間伝送，及び光波の基本的性質とレーザ応用について理解することを目的としている。　電磁波工学Ⅱの授業内容は無線の領域をカバーしており，主に有線の領域をカバーした電磁波工学Ⅰの知識があることを前提としている。また，電磁波工学Ⅱは無線従事者免許を取得する際の必須科目であり，電気電子工学科で開講している通信方式とも密接な関連がある。
【到達目標】　電磁波工学Ⅱを履修することによって，電磁波に関する基本的な諸現象，各種アンテナを用いた地上波通信や衛星通信，レーダの原理，レーザ光の性質と情報処理への応用に関する知識を得る。電磁波はどのような特性を持つのか，電磁波を用いた無線通信やセンシングがいかに行われるのか，これらを効率良く行うためにどのような方策が用いられているのかについて理解することを目指す。
【授業計画及び授業方法】・授業の進め方・形式　講義形式で行う。毎週，授業内容に関連した演習問題を宿題として課し，次週の授業開始時にレポートを提出してもらう。試験は，中間試験と期末試験を行う。授業内容を以下に示すが，進度により開講週と内容に多少ずれが生じることがある。・授業内容　　第１～４週　　　電磁波の放射と回折（ベクトルポテンシャルの積分解，ベクトルポテンシャルの近似式と遠方界，　　　　　　　　　　　　　　電気ダイポールによる放射電磁界，磁気ダイポールによる放射電磁界，　　　　　　　　　　　　　　直線状アンテナによる放射電磁界，アンテナアレイによる放射電磁界，　　　　　　　　　　　　　　Kirchhoff-Huygensの回折積分，開口面アンテナによる放射電磁界）　　第５～６週　　　各種アンテナ（柱状アンテナ，円形ループアンテナ，進行波形アンテナ，八木・宇田アンテナ，　　　　　　　　　　　　　　板状アンテナ，開口面アンテナ）　　第７～９週　　　電磁波の散乱とレーダへの応用（散乱断面積，散乱特性の分類，　　　　　　　　　　　　　　完全導体円柱及び誘電体円柱による平面電磁波の散乱，ターゲットによる散乱と偏波変換）　　第10～12週　　電磁波の空間伝送（大地上における電磁波伝搬，対流圏における電磁波伝搬，電離層における電磁波伝搬，　　　　　　　　　　　　　　フェージングとダイバーシチ受信，衛星通信）　　第13～15週　　光波の基本的性質とレーザ応用（光波の干渉とコヒーレンス，光線方程式，光の変調と検出，光情報処理）
【時間外学習】　毎週，宿題として課す演習問題のレポートを必ず提出する。この演習問題の解答例を掲示するので，必ず復習する。また，授業終了後に授業内容の復習を行うとともに，講義資料を読んで次週に行う授業内容について予習し，疑問点を整理しておく。
【成績評価方法】　以下に示す配分に基づいて成績評価を行い，総合点が60点以上を合格とする。　　　　中間試験 35％，期末試験 35％，課題レポート 30％
【受講に当たっての留意事項】　次週の授業の最初に，宿題として与えた演習問題のレポートを提出する。授業開始後に出席カードを配布し，出席カードの提出によって出席を確認する。出席カードの配布時に教室内にいない場合，遅れて来ても欠席として取扱う。授業回数の2/3以上出席していなければ，試験の受験資格を与えない。なお，授業への出席は受験資格の判定のみに用い，成績評価には反映させない。電磁波工学Ⅰの知識が必要。
【教科書】　講義資料を配布する。
【参考書】　本郷廣平：電波工学の基礎，実教出版．虫明康人：アンテナ・電波伝搬，コロナ社．細野敏夫：電磁波工学の基礎，昭晃堂．　安達三郎ほか：電波伝送工学，コロナ社．安達三郎：電磁波工学，コロナ社．福光於菟三：光エレクトロニクス入門，昭晃堂．　末松安晴ほか：光ファイバ通信入門，オーム社．
【備考】　質問は授業中に随時行い，分からないことがあれば積極的に来室すること。