電磁波工学Ⅰ

授　業　科　目　名	必修・選択	単位	学期	対象学年	担当教員名
電磁波工学Ⅰ	電子：必修電気：Ａ選択	2	前期	3	工藤　孝人
授業科目の英文名：Electromagnetic Wave Engineering I
【授業のねらい】１．授業の目的・目標電磁波は，電界と磁界が相伴い同時に変化しながら波動の形で移動する一種のエネルギーです．「電磁波工学 I」では有線伝送系の電磁波工学を取り扱います．最初に，マクスウェルの方程式を公理として，平面電磁波，境界条件，電磁波の反射・屈折・透過などの概念を学びます．次に，同軸ケーブル，導波管，光ファイバなど，伝送線路に沿って伝搬する電磁波の解析法について学習します．上述した概念の理解と解析法の修得を目標にしています．２．カリキュラムに占める位置と他の授業科目との関連電磁波の解析にはベクトル解析や偏微分方程式の解法など，様々な数学的知識が必要です．このため「電磁気学 I ～ IV」はもとより，「応用解析」や「電気電子数学」などの数学系科目を必ず履修しておいて下さい．空間伝搬系の電磁波工学については，後学期に開講される「電磁波工学 II」で取り扱います．「電磁波工学 I」と併せて受講して下さい．なお，「電磁波工学 I ・ II」は，卒業後に第１級陸上特殊無線技士などの無線従事者免許を取得するのに必要な科目です．
【到達目標】 (1) 媒質定数（誘電率，透磁率，導電率）と電磁波の伝搬定数，減衰定数，位相定数，表皮厚などとの関係を理解すること． (2) 異なる媒質の境界における電磁波の境界条件や反射・屈折・透過などの概念を理解すること． (3) 同軸ケーブル，導波管，光ファイバなどを伝搬する電磁波の解析法を理解すること．
【授業計画及び授業方法】授業計画は次のとおりですが，多少前後することがあります．講義資料，ＯＨＰ，板書により，通常の講義形式で授業を進めます．また，式の導出過程や専門用語の意味などについて，授業中に受講者に質問することもあります． [第1回]　電磁界の基礎方程式(1)：　マクスウェルの方程式，電流連続の式 [第2回]　電磁界の基礎方程式(2)：　波動方程式 [第3回]　電磁界の基礎方程式(3)：　ポテンシャル関数を用いた電磁界の表現方法 [第4回]　電磁波の基本性質(1)：　平面波の基本性質，伝搬定数・減衰定数・位相定数，電磁波伝搬の理論 [第5回]　電磁波の基本性質(2)：　表皮効果，偏波，ポインティング・ベクトル [第6回]　電磁波の基本性質(3)：　位相速度と群速度 [第7回]　電磁波の基本性質(4)：　異なる媒質の境界面で電磁界が満たすべき条件（境界条件） [第8回]　電磁波の基本性質(5)：　平面波の反射・屈折・透過，全反射 [第9回]　マイクロ波の伝送(1)：　導波路に沿って伝搬する電磁波の分類，同軸ケーブル [第10回] マイクロ波の伝送(2)：　方形導波管を伝搬する電磁波 [第11回] マイクロ波の伝送(3)：　円形導波管を伝搬する電磁波，導波管における電磁波の減衰 [第12回] 光波の伝送(1)：　光導波路の原理，２次元光導波路 [第13回] 光波の伝送(2)：　光ファイバの導波モードと伝搬特性 [第14回] 光波の伝送(3)：　ガウスビーム波の伝搬 [第15回] 期末試験
【時間外学習】講義資料をよく読むとともに，主要な式については自分で導出するなどの予習をして授業に臨んで下さい．また，宿題を課すので，解答をレポートにして期限までに提出して下さい．レポートは内容をチェックした後に返却します．必ず復習して授業内容の理解に努めて下さい．
【成績評価方法】レポート　40％，　期末試験　60％宿題は必ず自力で解くこと．取り組み方が不十分と判断されるレポートについては減点します．「レポート提出点」と「期末試験の点数」の合計が60点以上を合格とします．正当な理由がないのに期末試験を受験しなかった者の評価は，原則として「再履修」とします．再試験については別途指示します．
【受講に当たっての留意事項】授業回数の３分の２以上出席しなければ，期末試験を受けることができません．遅刻については授業開始後30分までを限度とし，それ以上の遅刻は欠席扱いとします．常に緊張感をもって授業に臨んで下さい．
【教科書】講義資料を配布します．
【参考書】授業中に適宜紹介します．
【備考】授業では講義資料の内容をＯＨＰや板書などによって適宜補足しますが，それらのすべてをノートに書き写す必要はありません．意識を集中して，重要事項のみを記録するように心がけて下さい．また，質問があれば，遠慮せずに教員室まで来て下さい．